大切なのは、心地よさ。自分に正直に生きるという選択

沖縄に暮らす友人から、時折、「金銭樹」の名でも知られる、ザミオクルカスという観葉植物の写真が届きます。

友人の家で大切に育てられた金銭樹は、今では株分けされ、周りの人のもとへ少しずつ広がっています。新しい場所へ送り出すたび、友人はこうして写真を届けてくれます。

一つの植物から生まれる、小さな幸せの循環。

その様子を見るたび、わたしの心も静かにほどけていきます。

ひと口メモ | ZZプラントと金銭樹
ZZプラントは、つやのある厚い葉が特徴の観葉植物です。日本では、葉の形や縁起のよい印象から「金銭樹」と呼ばれることがあります。乾燥に比較的強い一方、置き場所や水やりなど、環境との相性によって育ち方は異なります。

目次

友人の数よりも、大切にしたい心地よいつながり

わたしには知人がたくさんいますが、友人と呼べる人は、それほど多くありません。それでも今、とても幸せです。

それは、自分で選んだ人間関係の中にいるからです。

友人の家で大切に育てられてきた、お母さん金銭樹と、新しい場所へ向かうため、株分けされた金銭樹。

「会いたい」と、心から言ってくれる人がいます。「少し話したい」と連絡をくれる人や、「元気ねー」と、ふと思い出してくれる人もいます。

そこには損得勘定も、過度な依存もありません。それぞれが自分の足で立ちながら、必要なときには静かに支え合う。そんな関係が、今のわたしにはしっくりきます。

以前から、友人は数ではないと分かっていたつもりでした。それでも周りに合わせるうちに、いつの間にか自分の心を後回しにしていたのだと思います。

今は、ありのままの自分でいられる人とのつながりを、大切にしています。無理に自分を大きく見せる必要もなく、沈黙さえ心地よい関係です。

もちろん、大勢で過ごす時間が好きな人もいれば、静かな空間を好む人もいます。どちらが正しいということではありません。

ただ、集団の中で小さな違和感を覚えたときは、一度立ち止まって、自分の心に耳を澄ませることも大切です。

その場所で、わたしは本当に心地よくいられるだろうか。

自分に問いかけてみると、本音が少しずつ見えてきます。

飾らないひと言が、心を支えてくれる

沖縄から写真を送ってくれる友人のメッセージは、いつもとても短いものです。

けれど、その飾らない言葉が、自然とわたしを笑顔にしてくれます。自分を大きく見せることもなく、いつも彼女らしいまま。短い言葉の中に、相手を思う温かさがあります。

わたしがまだブログを中心に文章を書いていた頃から、彼女はいつも記事を読んで、褒めてくれました。

そして、初めて正式な仕事として執筆した記事を読んだときには、こんなメッセージを送ってくれました。

勝手に、まーきーライターのファン1号です。

ほんの一行の言葉です。

けれど、アメリカで暮らしていた頃の苦しさを互いに知っているからでしょうか。その言葉を読んだとき、胸の奥がじんわりと熱くなりました。

長い励ましの言葉でなくても、心に深く届くことがあります。相手の歩いてきた道を知り、ただ静かに応援する気持ち。

そんな友人の存在に、今も支えられています。

植物も人も、自分に合う場所で根を伸ばす

数カ月後、友人から再び生命力あふれる写真が届きました。

今度は、金銭樹を植え替える様子です。鉢から取り出された根は、土を抱えるように、隙間なく伸びていました。

見えない場所で、こんなにも力強く育っていたのかと驚きます。

以前、娘も同じ種類の植物をオフィスで育てたことがありますが、残念ながら、うまく育ちませんでした。光や水、風通しなど、植物にもそれぞれ落ち着ける環境があります。

人も同じなのかもしれません。

身を置く場所によって、本来の自分をのびのびと表現できることもあれば、知らないうちに自分を抑え、息苦しさを感じることもあります。

長く組織に属して働いていた頃と比べれば、今の収入はまだ安定しているとはいえません。それでも、生き方に対する満足度は、今の方がずっと高くなりました。

好きなことを仕事にするとは、楽しいことだけを選ぶという意味ではないのでしょう。不安や迷いがあっても、自分が納得できる方向へ歩いていくこと。

ライターとして過ごす日々の中で、少しずつその意味を感じています。

心地よさは、わがままではありません。

自分の根を無理なく伸ばせる場所を知るための、大切な感覚なのだと思います。

ひと回り大きな鉢へお引っ越し。二つの鉢に分かれ、根ものびのびと広がっていきます。

偶然から生まれた、沖縄の小さな実り

この日、金銭樹と一緒に、丸く育ったかわいらしいゴーヤーの写真も届きました。

植えようと思って種をまいたわけではありません。庭に何気なく投げたゴーヤーのわたから芽が出て、つるがフェンスを越え、実をつけたそうです。

沖縄の強い日差しの下で、与えられた場所に根を下ろし、のびのびと育つゴーヤー。

すべてを計画し、整えなくても、命は自分のタイミングで芽を出すことがあります。

人とのつながりも、生き方も、きっと同じです。

たくさん持つことより、自分にとって大切なものに気づくこと。周りの基準ではなく、自分の内側にある心地よさを選ぶこと。

それだけで、日々は少しずつシンプルになっていきます。

遠く離れた沖縄から届く植物の写真は、いつも大切なことを思い出させてくれます。

ありのままに根を張り、自分に合う場所で育つこと。

そして、そこで生まれた幸せを、また誰かへ手渡していくこと。

いつも、ありがとう。

※この記事は、2024年9月に旧ブログで書いたものを、今の私の視点から少し整えています。

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