あっという間に7月も半ばを迎え、今年もユタ州にファーマーズマーケットの季節がやってきました。
ユタの各地で開かれるファーマーズマーケットの中でも、わたしが特に気に入っているのが、オグデン市のマーケットです。
会場となるのは、歴史的な建物が並ぶ25番ストリート。開催日には通りが歩行者天国になり、地元の農家や飲食店、アーティストたちのブースが並びます。
旬の野菜や果物を眺めたり、手作りの品に足を止めたり。何も買わなくても、歩いているだけで楽しめる場所です。
歴史ある通りに広がる、週末のマーケット
オグデンのファーマーズマーケットは、歴史的な街並みの中で開かれます。

歩くほどに、この街が重ねてきた時間が見えてきます。




農産物だけでなく、絵画やアクセサリー、木工品などを扱うアーティストのブースも多く、通り全体が小さな野外ギャラリーのよう。




店の人と言葉を交わしながら、ゆっくりと歩く朝。
スーパーでの買い物とは少し違う、土地の人や季節とつながる時間です。



ひと口メモ
夏のユタは、朝から日差しが強くなります。比較的涼しく、人もまだ少ない午前8時ごろに訪れるのがおすすめです。日陰の少ない通りを歩くため、飲み水や帽子も忘れずに持って行きましょう。
朝ごはんから夕食の食材まで、地元の味を楽しむ
マーケットには、新鮮な食材だけでなく、コーヒーや焼き菓子、さまざまな国の料理を販売する店も並びます。
わが家は、コーヒーとペイストリーを買い、マーケットで朝ごはんを食べるのが恒例です。

フィリピン料理やストリートタコスを買い、空いている場所を見つけて座り、ゆっくりと味わいます。大きなカップに入ったレモネードも、欠かせません。


帰りの車では、家族そろって「おなかいっぱい」「少し眠りたいね」と話すのも、いつものこと。
朝ごはんというより、少し早めの昼食に近いかもしれません。
食事を楽しんだ後は、夕食に使う野菜選び。農家の人が育てた新鮮な野菜を持ち帰れることも、ファーマーズマーケットのうれしさです。

色鮮やかなトマトやズッキーニ、桃やベリーなど、並んでいるのは、その季節ならではの食材です。


ひと口メモ
エコバッグに加え、小さめのクーラーボックスがあると便利です。要冷蔵のサルサやチーズ、クリームを使ったペイストリーなども、暑さを気にせず持ち帰れます。
土地のお土産と、忘れられないアーミッシュ・ドーナツ
マーケットでは、ユタのローカルストアで見かける商品に出合うこともあります。
以前、沖縄へ里帰りした際、お土産として持って行ったポップコーンも、この日のマーケットに並んでいました。
軽くて持ち運びやすく、家族にも喜ばれたお土産です。
食べ始めると、つい手が止まらなくなる味。見つけると、今でも自然と手が伸びます。

地元で採れたはちみつは、娘のお気に入り。紅茶に入れて楽しんでいます。ポップコーンとはちみつを買うと、かわいいトートバッグに入れてくれました。


そして、わが家が毎年楽しみにしているのが、アーミッシュ・ドーナツです。
アーミッシュとは、宗教的な信仰に基づき、伝統や家族、地域とのつながりを大切にしながら暮らす人々です。
アーミッシュ・ドーナツは、店によって作り方や背景が異なりますが、大きくてやわらかく、素朴な甘さが特徴です。
揚げたてのドーナツは、まだ温かく、驚くほどふわふわ。
砂糖で手を少しべたつかせながら食べる時間も含めて、わが家のファーマーズマーケットの楽しみになっています。
ひと口メモ
支払い方法は、店によって異なります。クレジットカードやデビットカードのほか、米国で広く利用されている送金アプリ「Venmo」に対応している店もあります。少額の現金も用意しておくと安心です。
マーケットの風景がつないでくれた、ご縁
実は、このファーマーズマーケットで過ごした日のことを、NHKのラジオ番組「ちきゅうラジオ」で、日本のみなさんにお話ししたことがあります。
「ちきゅうメイト」として出演した、わたしにとって初めての放送でした。
慣れないラジオ出演に緊張し、声が震えていたことを今でも覚えています。
余談ですが、こちらは放送日前、沖縄に住む妹が送ってくれたティッシュ箱の写真です。現在84歳の父が、アメリカに住む娘のラジオ出演を楽しみにして、忘れないよう箱に書き留めてくれたもの。ただ、よく見ると、ラジオの「ラ」が「ダ」になっています。本人は「方言だ」と話しているそうですが、本当のところは、父にしか分かりません……。

NHK「ちきゅうラジオ」で、アーミッシュ・ドーナツを素手で持ち、「手をむちゃむちゃにしながら食べました」と話したときのことです。本番中、そこで初めて「むちゃむちゃ」が沖縄の方言だと気づきました。一瞬、言葉に詰まりそうになりましたが、沖縄にもご縁のあるMC、レ・ロマネスクTOBIさんが、やさしく言葉を添えてくださいました。緊張していたわたしにとって、その自然なフォローがとても心強く、今でも忘れられない思い出です。



放送後、沖縄の家族以外にも番組を聴いてくださった方がいて、旧ブログへ温かいコメントを寄せてくださいました。
画面の向こうに、読んでくれる人がいる。
そのことを、あらためて感じた出来事です。

ファーマーズマーケットは、新鮮な食材を買うだけの場所ではありません。
その土地で暮らす人に出会い、季節を感じる場所でもあります。
近いうちに、今年のマーケットにも足を運ぶ予定です。歴史ある通りに並ぶ色鮮やかな野菜や、揚げたてのドーナツ。そこに流れる夏の朝の空気も、また写真とともにお届けできればと思います。

いつもブログを読んでくださるみなさんへ。
静かにつながっていてくださること、いつもありがとうございます。
