今回はキャピトルリーフ国立公園内で、気軽に立ち寄れる場所をご紹介します。
空に向かってそびえ立つ砂岩の壁に残された、神秘的な岩絵のお話です。
首が少し痛くなるのも忘れて見入ってしまう、古代の人々が残したペトログリフ。木陰のある遊歩道を歩きながら、静かに眺めてきました。
古代の人々が残した、神秘的なペトログリフ

ペトログリフ(Petroglyph)という言葉を、聞いたことはありますか。
ペトログリフとは、岩の表面に彫られた絵や模様のことです。キャピトルリーフ国立公園では、こうした岩絵をいくつかの場所で見ることができます。
その中でも、いちばん簡単にアクセスできる場所は、ビジターセンターの近くにあります。




この一帯で暮らしていたフレモント族と先祖プエブロ族の人々は、これらの岩絵で何を伝えたかったのでしょうか。
古代の人々の暮らし。
祈り。
自然とのつながり。
岩壁に刻まれた絵を見上げていると、遠い時間と今の自分が、ふっと重なるような感覚になります。
旅のひと口メモ
ペトログリフは、岩の表面を彫って描かれたものです。似た言葉にピクトグラフがありますが、こちらは岩肌に顔料などで描かれた絵を指します。どちらも古代の人々の暮らしや信仰、自然との関わりを今に伝える、大切な文化遺産です。
高い岩壁に残された、不思議なメッセージ
場所によっては望遠鏡も設置されているので、岩壁の高い場所にある絵を近くに感じながら見ることができます。
見上げるほどの高さに残された岩絵は、簡単には届かない場所にあるからこそ、より神秘的に見えるのかもしれません。


大自然の空気を胸いっぱいに吸いながら、ゆっくり深呼吸。
ただ眺めているだけで、言葉になる前の何かを受け取っているような気がしました。


当たり前のことのようですが、こうした岩絵は、一度傷つけられると元には戻りません。
古代から今へ受け継がれてきたものを、次の時代へそのまま渡していくこと。旅人として、忘れずにいたいことです。
開拓時代の面影も残る場所
キャピトルリーフ国立公園では、古代の岩絵だけでなく、初期の開拓時代の人々の暮らしにも触れることができます。
赤い岩山に囲まれたキャピトルリーフのフルータ地区には、かつての開拓者たちの暮らしを伝える小さな学校と果樹園が残されています。


1896年に建てられた Fruita Grade School では、1年生から8年生までの子どもたちが一つの教室で学んでいたそうです。

窓越しに中をのぞくと、当時の子どもたちがここで勉強していた様子が、ふっと目に浮かびます。
まるで、時間の向こう側を少しだけのぞかせてもらっているようでした。



すぐそばには、りんごや桃、アプリコットなどの木が広がります。乾いた大地の中で果樹が育ってきた背景には、川の水を引き、土地と向き合いながら暮らした人々の知恵がありました。
赤い岩と果樹園。
その対比が、フルータという場所をいっそう忘れがたい風景にしています。

乾燥したこの土地で暮らし、農業を続けることは、決して楽ではなかったはずです。けれど、その場所には、人々がここで生きてきた確かな気配が残っていました。
また訪れたい、赤い大地の記憶


公園内をドライブしながら、キャピトルリーフの景色をもう少しだけ味わいました。
赤い岩肌。
広い空。
乾いた風。


2022年3月の夫婦グランドサークルの旅。次回は最終回です。
グランドサークルの旅で訪れた場所を、少しずつ記録しています。
赤い大地を巡る旅の続きも、よろしければご覧ください。
