アメリカの地図を見ていると、不思議な場所に出合うことがあります。その一つが、4つの州が一点で交わる場所です。
アメリカで、4つの州が同時に接する場所はここだけ。その名は、フォーコーナーズ。
正式名称は、フォーコーナーズ・モニュメント・ナバホ・トライバル公園。
英語では、Four Corners Monument Navajo Tribal Parkです。
ここでは、次の4州に同時に立つことができます。
アリゾナ州。
ユタ州。
コロラド州。
ニューメキシコ州。
地図の上では小さな一点。けれど、実際にそこへ向かうと、アメリカ南西部の広さを体で感じる場所です。
グールディングズロッジからフォーコーナーズへ
滞在していたグールディングズロッジから、フォーコーナーズまでは車で約1時間半。
モニュメントバレーの旅の続きとして、夫婦で向かいました。






フォーコーナーズへ向かう途中、帽子のような岩に出合う
途中で通るメキシカンハットにも少しだけ立ち寄ります。メキシカンハットは、その名の通り、メキシコのつば広帽子「ソンブレロ」のような形をした岩です。


自然がつくり出した、見事なバランスです。真下から見上げると、今にも帽子の部分が落ちそうで、思わず見入ってしまいます。
青い空と赤い大地の間を走る
メキシカンハットを後にして、フォーコーナーズへ向かいます。目的地まで、車を走らせる時間。
道の両側には、広い平地が続きます。先住民ナバホの人々の家々が見え、時折、野生の馬たちがのんびりと過ごす姿もありました。
その背後には、モニュメントバレーを思わせる奇岩の風景。真っ青な空を背景に、赤い岩山が絵のように浮かび上がります。
夫と並んで、ほとんど言葉もなく走る時間。目の前の景色が大きすぎて、ただ静かに受け取るしかありません。
観光地のにぎわいと、土地へのまなざし
フォーコーナーズに近づくにつれ、道沿いに落ちているごみも目に入るようになりました。
観光は、この土地を訪れる人と、ここで暮らす人たちをつなぐものでもあります。一方で、訪れる側のふるまいが、その土地に影響を残すこともあります。
美しい景色を見に行くときほど、その場所を大切に扱う気持ちを忘れずにいたい。そんなことを、車の窓の外を眺めながら思いました。
ロッジからフォーコーナーズまでの道中では、食料品店をほとんど見かけません。この辺りに暮らす人たちは、どこで日々の買い物をしているのだろう。そんな素朴な疑問も浮かびます。
旅は、景色を見るだけでは終わりません。その土地に流れる暮らしの気配にも、静かに触れていきます。
4つの州が交わる場所に立つ
3月初めだったので、訪れる人は少ないと思っていました。けれど、到着してみると、4州の境界線が十字に交わる場所には、すでに人の列ができていました。みんな、記念撮影をするために並んでいます。
まだシーズンオフのためか、ベンダー用のブースは数カ所だけ開いていました。先住民の人たちが、手作りのアクセサリーなどを販売しています。
記念撮影の列のそばには、「グループ写真は3枚まで」という案内もありました。限られた場所で、多くの人が順番に写真を撮るための工夫なのだと思います。

人混みはあまり得意ではありません。それでも、ここに来る機会は、もしかしたら一度きりかもしれない。そう思うと、自然と列に並ぶ気持ちになりました。

地図の上では小さな場所でも、実際に立ってみると、少し不思議な感覚があります。
アリゾナ、ユタ、コロラド、ニューメキシコ。
4つの名前が、足元で静かにつながる場所です。
フォーコーナーズの小さな歴史
フォーコーナーズの始まりは、20世紀初めにさかのぼるとされています。政府の測量技師が4州の境界を示すため、1912年に簡単なコンクリートのマークを設置したのが最初だとか。
その後、1992年には花こう岩のマーカーが設置されました。さらに2010年には、現在のように4州の境界線と、それぞれの州の印章が整えられたとされています。

アメリカの広さと、州という境界の不思議さを感じられる場所「フォーコーナーズ」。
地図で見ていた一点に、実際に立つ。
それだけのことが、旅の記憶として静かに残ります。
グランドサークルの旅で訪れた場所を、少しずつ記録しています。
赤い大地をめぐる旅の続きも、よろしければご覧ください。
